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プレシリーズA資金調達を実施し、がん早期発見に向けた血液検査の開発加速

(写真左から)宇野CBO、坂本CTO、鏡味CEO、新留CSO

当社は、東京大学・理化学研究所の共同研究により開発された「1分子計測リキッドバイオプシー」技術(以下、本技術)の社会実装を担うスタートアップ企業です。「誰もが病に悩まず、自分らしく生きる世界の実現」をビジョンに掲げ、疾患の早期診断薬開発とヘルスケア企業の研究開発支援を行っています。

1分子計測リキッドバイオプシー技術について

本技術は、血液中の「酵素の働き」を「1分子レベル」の超高感度で評価できる独自技術で、近年世界的に開発が進んでいる、低侵襲的に採取した体液中の生体分子情報から疾患を精密診断する「リキッドバイオプシー」検査の一種です。

本技術は、遺伝子・タンパク質の量より表現型に近い酵素活性(タンパク質の機能)を評価することで高精度かつ、1分子レベルの解析でわずかな変化を捉えられるため疾患の早期発見に適しています。また1μL程度のわずかな血液で測定できる点も在宅検査に応用できる大きな強みです。

疾患診断の他に、製薬企業等と共同で新たな酵素活性バイオマーカーの探索を行うことで、薬効評価や患者層別化等への応用も試みています。

■ 膵臓がんの早期リスク検査を2024年に販売へ

日本では高齢化が急速に進んでおり、日本人の2人に1人ががんに罹患するといわれています。がんは早期に発見し手術で腫瘍を取り除くことができれば生存率が高くなりますが、特に膵臓がんは一般に自覚症状が現れにくいため早期発見が非常に難しく、見つかった時点で手術できる方は10%程度と極めて限られています(Lancet, 2011 ,378 , 607–620)。

当社では、本技術を用いて膵臓がんの早期発見を可能にするリキッドバイオプシー検査技術を開発し、その社会実装を進めています。これまでに複数医療機関から600例以上の血液検体を集めて臨床研究を実施し、ステージ0-IIの早期膵臓がんを極めて高い感度/特異度で検出できることを見出してきました。本臨床研究結果に基づき、当社は2024年に低侵襲的な膵臓がんのリスク検査の販売開始を予定しています。従来の腫瘍マーカー検査よりも高い早期がんの感度とがん種特異性から、早期発見と膵臓以外の臓器の精密検査の省略が期待されます。また日本及び米国での薬事承認を目指してさらなる臨床研究を進めていきます。

今回の資金調達を通じて、膵臓がん検査薬の臨床開発・事業開発を加速するとともに、他のがん種やがん以外の疾患を含めた早期診断薬の開発に向けた研究の推進、在宅検査キット開発を進めて参ります。

■ 投資家からのコメント

Coral Capital パートナー 西村 賢 氏

創薬科学と生体分子1個の単離による生理学研究の2分野の研究者2人が出会ったところから生まれたCosomilの基礎技術はイノベーションそのものです。いまだに良いバイオマーカーの見つかっていない早期すい臓がんに対して、ついに良い検査技術が社会実装されようとしていること、そうした取り組みを支援できることを大変うれしく思います。研究を何年も担った坂本CTOと、これを社会実装するために集まった鏡味CEOはじめとするメンバーの方々の情熱が多くの人々を命を救うことになると信じています。

ANRI プリンシパル 宮﨑 勇典 氏

Cosomilさんは、東京大学で開発された革新的な1分子酵素活性計測技術を事業化するスタートアップです。ANRIは、JST-STARTプログラムそしてシード期からご一緒させて頂いており、目指す早期診断の世界を実現するために真摯に着実に進めてこられてきました。必ずや本技術をグローバルに届けるべく鏡味さん坂本さんの創業者を中心に進めていってくれると信じています。ANRIとしても本ラウンドも支援させて頂けるのを嬉しく思います。

グリーンコア株式会社 代表取締役 本庄 竜介 氏

「社会課題に沿った明確な目標」「サイエンスに基づいた卓越した技術」そして何より「そのミッションを達成すべく集まった経営陣の強力なチームワーク」の3つをかね備えたコウソミル社に深く感銘を受け、出資を決めました。コウソミル社の今後を非常に楽しみに思うと同時に、微力ながらそのお手伝いをさせて頂くことを嬉しく思います。

■ 当社代表取締役 鏡味優からのコメント

坂本CTOが東大薬学系の学生初の自身の研究テーマでの起業に挑戦してから、投資家、先輩起業家、医師、専門家など多くの方の支援と何よりチームの皆さんの頑張りによって、ここまで事業が進んできたことを大変嬉しく思います。チームも研究者に加え臨床検査技師、エンジニア、事業開発など社会実装に向けて多様化してきました。今回出資いただいた資金で日本の技術の世界展開に向けた開発を進め、病に悩むことのない世界の実現に向けて邁進いたします。

■プレスリリース掲載先
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000101613.html